
謎の男「協力してやることもやぶさかではない」
急いてはことを仕損じる。古来より受け継がれてきた、よい言葉である。前回見つけた素敵物件にはさよならばいばいをかましてきた。保証人の給料が1500万円必要とのこと。そんなやつはですね、こっちから切ってやりましたよ。 そんなわけで再び振り出しに戻ったトビタテハウス計画。暗礁に乗り上げた我々は、あの世界経済の行く末を決定する秘密組織「ダボス会議」の一角、Young Global Leaderである人物に協力を要請した…! 背筋と腹筋に裏打ちされた姿勢のよさ。低く力強い声。いまなお、現役時代の眼光はその光を失っていない。ちょっと怖かったため、ここでは目線を入れさせていただいた。 拙いプレゼン資料を持ち、虎ノ門前で降りる。そう、文部科学省がある駅だ。鋭い眼光に半泣きになりながらプレゼンをかました後、彼は重たい口を開いて言った。 「お前のやりたいことはわかった。協力しよう」 この日、トビタテハウスプロジェクトは真の意味で動き出したのだった。

渋谷まで6分、都心マンにおれはなるっ!
中央大学というのは酷い名前である。地方民にとってみれば、東京の私大といえば都心であろう。よりによって名前が中央である。かくして私は、東京都民ではありながら区民にはなれずに四年間を過ごしたのだ。中央大生の朝は早い。特技は山登りであ 我々は前回の会議の後、更にAmi Saitoという仲間を加えて不動産へと向かった。シェアハウスの壁は厚く高い。まず第一にシェアハウス用に公開している物件がほとんどなく、あっても小さいものがほとんどなのだ。一般的には3部屋くらいが限度らしい。 しかし、我々の理想「トビタテチルドレン計画」のためには、せめて5部屋は必要なのだった。そこで転がり込んできたのがなんと8LDKの一軒屋。シェアハウスOK、最寄り駅は学芸大学。渋谷まで6分。 「この勝負もろた」 トビタテハウスマンはにやにやという笑いを抑えることが出来なかった。